はじめに
R4LM(リフォーム)はすべての人が暴力や差別におびやかされることのない社会を願う読書会です。自分の特権を知ることや社会的に弱い立場に置かれている人々への差別や暴力に対して声をあげることはとても大切なことです。ですが、そういった問題について継続的に関心を持ち、考え、声を上げることはとても大変なことです。この会ではそうした声をあげ続けることで抱える「疲弊」と向き合い、それをともにケアし勇気づけ合う時間を大切にしたいと思っています。
差別や暴力にNOと言うには勇気がいります。身近な人が差別的な発言をするのを聞けば背筋が凍るような思いがしますし、テレビやネットを見ているだけでも心がすりへってきます。誰かとモヤモヤを話したくても周りに理解がある人もおらず、孤独になっていって。最初は声を上げることができた人が時が経つにつれ疲れや傷が重なり声をあげられなくなることもあります。
理想や信念を掲げても疲弊が積み重なりいつか折れてしまうんだとしたら。「だから疲れることはやめよう。諦めよう。」ではなくて。疲れても傷ついてもそれでも声を上げ続けるために。共に傷を癒し、共に勇気づけ合う時間が必要だと考えました。ゆるやかな雰囲気の中でも、他者の語りに勇気をもらったり癒されたりもします。そして、そんな時間が生活のあいまに差し挟まれることで、踏み出せる一歩があると信じてこの会を開きました。
知識の量や経験の違いは問われません。話すのが上手くなくても構いません。聞くだけでも、ただ居るだけでも大丈夫です。もしあなたが誰もが共に生きられる社会へと思いを巡らせるときはこの読書会にいらしてください。
弱く傷つきやすい私たちが、弱く傷つきやすいままに、それでも声を上げ続けるために。
わたしたちは互いの勇気だから。
About
この読書会は難しい本を精読することを目指す会ではありません。知識や正しさを学ぶことよりも本やこの会をきっかけにして自分が考えていることや普段のモヤモヤだったりしんどさを語り合えたらと思います。
この読書会は一丸となることを目指す会ではありません。異なるバックグラウンドを持った一人一人のいっときの集合です。また、立場や能力に応じた上下関係や身内同士の内輪ノリのような固定化された関係が初参加の人などにいづらさを感じさせることがないように努めます。異なる人たちが異なりながら集まれる雰囲気を大切にします。
この読書会は問題意識の強い人、豊富な経験のある人、頭の良い人など能力の高い人のためだけの会ではありません。むしろこの社会に生きづらさを感じながら何から始めればいいかわからないような人の最初の一歩の後押しになることを望んでいます。経験や知識が多くなくても引け目を感じることなく同じように安心して参加できる場を目指します。
この会ではあらゆる差別やハラスメントを容認、軽視しません。差別やハラスメントに反対しているという安心があればこそ参加できる人、発することができる言葉があり、だからこそ聞くことができる声があります。誰しもが意図せず間違いをおかすことがあり、差別を全くしないということは極めて困難ですが、それでもなお自分の間違いも含めてあらゆる差別や暴力に反対する立場に立てると思います。誰もが安心して過ごせる場所、できるだけ誰も踏まずにすむために小さな努力と小さな協力を重ねることができればと思います。